溶接ってどんな仕事?ポイントを押さえて転職に活かそう!
そもそも溶接というのは、様々な部材に加圧と加熱を行って1つの部材に接合する加工技術のことを言います。機械を使用した加圧や熱源での加熱以外にも、合板や金属を使用した&qu;ろう接&qu;という接合方法もあります。
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ちなみに溶接の歴史は古く、日本では弥生時代に溶接の技術が既にあったと確認されています。弥生時代から現在も溶接が行われているということは日本だけではなく世界的にも溶接は製品の加工に欠かせない重要な技術で、現代でも自動車・建築・家具・貴金属・時計といったあらゆる製品の製造過程で溶接技術が利用されているのです。
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そんな溶接の主な仕事内容は、図面の読み取り・溶接記号の把握・図面に従った作業になります。作業場については自動車部品や建設機械等の製作であれば屋内、建築現場や橋梁工事等であれば屋外となります。溶接の仕事は高熱の機材を手で扱うため常に危険と隣り合わせです。
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でも、魅力もたくさんあります。
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それは構造物として仕事が残る・溶接をしている間は自分の世界に入れるもしくは集中していることによって嫌なことを忘れられる・AI等に仕事を取られる心配が限りなく低い・後に独立も可能・努力が必ず反映されるという点からメリットの多い仕事だと言えます。
溶接の業務内容
溶接の業務内容は大きく分けて6つ。
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・銅材を切る
金属の材料を切断するため、専用のカッター(メタルシートカッター)もしくはチップソー切断機を使って銅材をカットします。
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・銅材を叩く
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カットした銅材の切断面をハンマーで叩いて丸くしたり、デザインとして風合いを出したりします。
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・曲げる
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完成品の形にするために銅材を曲げます。
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・つなげる
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融接や圧接、ろう接などの接合方法を製品の材料や接合部分によって使い分けます。
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・銅材を磨く
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研磨するための道具を使って表面を磨き削ります。
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・塗装
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錆止めを塗ったり、ペンキを塗って仕上げを行います。
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溶接の業務内容は機械よりも手作業に頼ることが多いので、以下の方が特に溶接の仕事に向いていると考えられます。
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・安全に配慮できる
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溶接の仕事は高温になっている部品や鉄板に触れるため、危機管理能力の高い方や安全に配慮しながら作業を進められる方が望ましいです。また、安全に配慮しながら図面に沿った接合作業を行うので、指示を確認しながら1つずつ慎重に工程をクリアしていくのが苦手ではない方に溶接の仕事は向いています。
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・細かい作業が好き
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溶接の仕事は実は体力勝負ではなく、細かい作業です。そのためプラモデルの製作やパズル等の細かい作業が好きな方に溶接の仕事は向いています。
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・我慢強さ
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はじめから溶接が上手くできる人はいなく、上手な溶接の作業を行うには経験をつくことが重要です。そのため我慢強く前向きに技術の取得に取り組める方が溶接の仕事に向いています。
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溶接の仕事に向いている性格や素質があったのであれば転職先の第一候補にしても良いかもしれませんね。
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ちなみに転職先を溶接工にする場合、初心者は工場勤務でそれほど大きくない対象物を扱う仕事がおすすめです。
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資格保有者や過去に溶接工としての経験がある方であれば工場でも現場でもどちらでも問題ありませんが、現場の仕事は建築現場はもちろん造船所などで配管や建築材料、ガードレールや鉄道レールなどを溶接するため時間に限りがあります。
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もちろん工場勤務に時間の限りがないというわけではないですが、工場での対象物は比較的小型なものが多く作業をしやすい環境が整っているケースが多いです。こうしたことから溶接初心者と、確実にスキルアップを狙っていきたい方は工場勤務での溶接工が仕事的にも環境的にも慣れやすいでしょう。
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溶接の1日の仕事内容のスケジュールの一例
全ての溶接会社がこうしたスケジュールではないので、参考までにしていただけたらと思います。
安全上の注意や進捗状況、連絡事項などを確認します。
作業開始前の軽いストレッチとして全員でラジオ体操などを行います。
朝礼とは異なり、作業を行うチームに分かれてその日の作業内容の詳細や工程、危険な箇所などの共有と確認を行います。
この日は1日配管の溶接です。
集中力を保つため、午前中は15分の休憩時間が確保されています。
1時間のお昼休憩です。
集中力を保つため、午後は20分の休憩時間が確保されています。
ここでは退勤時間までに目標の仕事量を終えられるのかを確認しながら作業を行います。
目標の仕事量が無事に終わったら後片付けをします。
目標の仕事量が無事に終わらないなどして工程が押したり作業が滞っている場合は残業をする日もあります。
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溶接の仕事は危険を伴う作業が多いことから体調不良や集中力が切れている時に作業を行うと思わぬ事故を引き起こす原因となります。そのためどの会社でも基本的には午前と午後に小休憩があり、お昼休憩も1時間と長く設けられています。
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また、出勤・退勤時間は会社によって異なるもののほどんどの会社が1日7~8時間勤務で、休日は土日休みや祝日休みのことが多いです。ですが現場での仕事の場合は屋外のため天候に左右されて作業を行えないなんてこともあります。その場合は作業が行えない日が平日であっても休日に変わり、後日休日出勤になるなどしてスケジュールの組み直しが行われます。
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1日のスケジュールの流れや作業のために必要な休憩、作業状況によって残業があったりなかったり、天候によって急遽休日になったり休日出勤になるということを知ると「溶接の練習をする時がない気が&hp;」と不安になってしまう方もいると思いますが、溶接会社では自主的に休憩時間や仕事終わり後に先輩から技術指導をしてもらったり、苦手な作業を1人で練習している人は結構います。
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溶接工の仕事は学歴や年齢は重視されず、溶接工としての技術や実力がものをいうので若手であっても技術が優れていたり実力があれば責任のある仕事を任せてもらえたり、それによってお給料も高くなります。
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結論、安心して練習できる時間を確保すればスキルアップに繋がり、それによって技術が優れればお給料アップにも繋がるということです。
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努力をしている人が報われる・結果を出すことができる仕事だと言えるでしょう。
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ちなみに気になる溶接工(正社員)の平均年収は就業する地域によって大きく異なります。
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以下は入社1年目~責任のある仕事を任せられている人を含めた平均年収だと思ってください。
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・北海道、東北 305万円
・甲信越、北陸 322万円
・関東 367万円
・東海 346万円
・関西 351万円
・中国 335万円
・四国 329万円
・九州、沖縄 316万円
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「アルバイトととして働きたいな&hp;」「自分に合うのか分からないから短期の派遣社員として働きたいな&hp;」と考えている場合、全国の平均時給としてアルバイト・パートは998円、派遣社員の場合は1278円です。
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溶接の求人数は年々増えているので、色々な会社の働き方や給料を比較すると自分に合ったところに転職できるかと思います。
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溶接の仕事内容の難易度は?
溶接の仕事内容の難易度としては、飲食業界やファッション業界など他の職業・会社とそれほど変わりません。
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というのも溶接の仕事は自分にさえ合っていれば後は技術を身についてスキルアップをするのみだからです。
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上記でもご紹介しましたが、溶接の仕事に向いている安全に配慮できる・細かい作業が好き・我慢強さという性格や素質に1つも当てはまらなかった方は1日目から自分の無力さに心が折れそうになるかと思います。
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でも、1日目から「楽しいかも」と思えた場合には今後も楽しみながら仕事をこなしていけるはずです。
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ちなみに溶接の種類は大きく分けて3種類あります。
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1つ目&qu;融接&qu;です。
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融接は部材同士をとかして接合した後、接合箇所や冷やして固める方法です。
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2つ目は&qu;ろう接&qu;です。
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ろう接は母材そのものを溶かさずに母材よりも低温で溶ける溶加材を用いて部材を接合する技術になります。
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3つ目は&qu;圧接&qu;です。
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圧接はプレス機などを使用して圧力を加えることで部材を接合する方法です。
特に硬い金属部材を接合する時によく使用します。
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これらは各種類によって割り振られる専門分野ではなく、溶接の種類です。
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そのため融接しかできないのは仕事になりません。
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溶接の仕事は部材の性質に応じて溶接方法を変えなくてはならないため、仕事をする上では溶接の知識だけではなく部材の知識も必要不可欠です。
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こうしたことから溶接の仕事内容の難易度はそれほど高くはないものの、技術はもちろん知識の豊富さや把握力で周囲と大きな差が生まれやすい仕事だと言えます。
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技術に関しては努力をし続けていれば必ず結果はついてきますし、最初からうまくできる人なんていません。
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うまくいかない日が続いても落ち込まず、前向きな気持ちが大切です。
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知識の豊富さに関しては勉強あるのみですし、溶接の資格を色々と取得することでスキルアップに繋がるだけではなく溶接の知識がしっかりと身につき責任のある仕事を任せてもらえることも。
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把握力に関しては何回も仕事をこなしていく内に様々な意味を理解することができるようになり、それがいつの間にか仕事をスムーズにこなすことができる把握力に繋がっていたりします。
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溶接の仕事内容の難易度を少しでも低くしたい・スキルアップしたい・早い段階で責任のある仕事を任せてもらいたいと思っている方はどんどん溶接の資格を取得しましょう。
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各資格の詳細については以下をご参照ください。
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&;ガス溶接技能者&g;
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・難易度:★☆☆
・年齢制限:18歳以上
・溶接経験有無:未経験者向け
・取得方法:講習2日間(14時間の学科と実技) ※講習の最後に1時間の修了試験あり
・費用:13000円~18000円+教材費
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&;アーク溶接作業員&g;
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・難易度:★☆☆
・年齢制限:18歳以上
・溶接経験有無:未経験者向け
・取得方法:講習と学科2日間(11時間の学科と10時間の実技)
・費用:11600円~15240円
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&;アルミニウム溶接技術者(基本級)&g;
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・難易度:★★☆
・年齢制限:15歳以上
・溶接経験有無:実務経験1ヶ月以上
・取得方法:学科試験と実技試験
・費用:学科試験(1210円)、実技試験(8580~53240円)、試験合格後の認定料(4510円)
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&;アルミニウム溶接技能者(専門級)&g;
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・難易度:★★☆
・年齢制限:15歳以上
・溶接経験有無:実務経験3ヶ月以上且つアルミニウム溶接技能者(基本級)有資格者
・取得方法:学科試験と実技試験
・費用:学科試験(1210円)、実技試験(8580~53240円)、試験合格後の認定料(4510円)
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&;溶接管理技術者&g;
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・難易度:★★☆
・年齢制限:理大卒業及び用実務経験
・溶接経験有無:3年以上(目安)
・取得方法:筆記試験と口述試験
・費用:筆記試験Ⅰ/Ⅱ(26400円)、口述試験(22000円~27500円)、試験合格後の登録料(19800円※5年毎に更新アリ)
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&;ガス溶接作業主任者&g;
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・難易度:★★★
・年齢制限:&mnus;
・溶接経験有無:3年以上(目安)
・取得方法:筆記試験(3時間20問※業務経験や卒業学歴によって科目の免除制度アリ)
・費用:受験料(6800円)
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&;普通ボイラー溶接士&g;
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・難易度:★★★
・年齢制限:&mnus;
・溶接経験有無:溶接実務1年以上
・取得方法:学科試験(2時間半40問)、実技試験(1時間 下向き立向き突合せ溶接)
・費用:学科試験(6800円)、実技試験(18900円)
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&;特別ボイラー溶接士&g;
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・難易度:★★★
・年齢制限:&mnus;
・溶接経験有無:普通ボイラー溶接士取得後、溶接実務1年以上
・取得方法:学科試験(2時間半40問)、実技試験(1時間 横向き突合せ溶接)
・費用:学科試験(6800円)、実技試験(21800円)
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&;溶接作業指導者&g;
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・難易度:★★★
・年齢制限:満25歳以上
・溶接経験有無:3年以上(目安)、技量資格保有
・取得方法:講習3日間※受講後学科試験あり
・費用:受講料(54050円)※溶接管理技術者は23600円、再受験者は12600円
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まとめ
いかがでしたでしょうか。溶接の仕事内容などについてよく知っていただけたかと思います。
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溶接工は日々知識や技術を積みながらどんどんキャリアを高めることができたり、後に独立をして自分の会社を開ける可能性も見込める素敵な仕事です。
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&qu;手に職を付ける&qu;というコトバがぴったりな仕事ですよね。
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「1つの仕事に長く就きたい」「日々スキルアップをしたい」「仕事でやりがいを感じたい」「自分がどこまでいけるのか試してみたい」と思っている方は溶接の仕事が合っていると思います。
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溶接工は物づくりの重要な役割を担っていて、どんな状況でも仕事があり、需要も高く安定しています。
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生きていく上で自分のためはもちろん、大事な家族のために安定した職に就くことも大切ですよね。
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日本全体の平均年収よりも高い職業なので、少しでも溶接の仕事が気になった方は派遣社員として数日~数ヶ月お試しで働いてみたり、転職してみてもいいでしょう。