溶接の仕事をするやりがいは?やりがいを知って転職の参考にしよう!
まずはじめに、溶接についてお話をさせてください。溶接というのは材料を加熱・加圧することで2つの材料を接合する加工技術のことを言います。
また、加熱や加工だけではなく溶加材を使って接合することも溶接と言います。<>溶接の方法(やり方)については主に3つです。
<>①融接
<> 融接は溶接方法の中でも基本的なもので、材料に熱を加えて溶かし、それぞれ溶かした2つの部材を融合させてそのまま冷やし固める方法。
<>②圧接
<> 圧接はプレス機などの機械を使って部材に圧力を加えて2つの材料を接合する方法。<> この方法(やり方)は硬い金属製の部材をくっつける時によく行われています。
③ろう接
<> ろう接は溶加材を使って部材そのものを溶かすことなく各部材を接合する方法。<>こうした溶接技術や方法(やり方)で溶接工は銅材を様々な形にして製品を作るお仕事をしています。<>やりがいについては沢山ありますが、実感しやすいのはこれからご紹介する4つかと思います。
<>・努力をすればするほど必ず結果が付いてくる
<> 溶接の仕事や技術というのは努力をすればするほど難しいことでもスムーズにこなすことができるようになります。<> その結果高い技術を持っていれば難易度の高い仕事を任されたり、責任感のある仕事を依頼されたりもします。<> 「真面目な人が損をする」というコトバがありますが、溶接工の仕事では真面目な人がやりがいを感じ、出世をしやすい環境で、損をすることは一切ないと言えるでしょう。
<>・自分自身の成長を感じられる
<> 勤める会社に関係なく溶接工の仕事というのは経験を重ねれば重ねるほど任される仕事が増えていきます。<> 入社したばかりの頃は誰にでもできるような簡単な作業しかやらせてもらえませんが、キャリアを積む度にこれまでよりも重要な仕事を任せられるようになります。<> 仕事をしていく中で「これはやったことないな」「覚えることが増えたな」と感じた時はワンランクアップしたという認識で問題ありません。自分の成長過程をハッキリと感じられる仕事って中々ないですよね。
<>・自分にしかできない仕事やスキルを見つけられる
<> 溶接の方法(やり方)は主に3つというお話をしましたが、溶接工としてある程度キャリアを積んでいくと自分にしかできない仕事やスキルを見つけることができます。<> 自分にしかできない仕事やスキルというのは、「この作業はあいつが適しているな」「この作業はあいつしかできない」などと上司から認識され、難しい仕事を任させもらえるだけではなく会社の重要な役割を担うことにも繋がります。<> これを分かりやすく言うとすれば携われる仕事が増えたり、自分が主となって残せる・作れる製品が増えるということです。
<>・機械よりも正確な仕事ができるようになる
<> 溶接の仕事では機械がメインで行っていることもあり、そうなると将来的に溶接工の仕事が減少していきます。<> ですが機械だけでは職人の技術を再現できないこともあるため、機械よりも技術力があれば溶接工として達成感を感じることができます。
<> こうしたことから溶接工の仕事は、「全ての資格を取っちゃったからもう力尽きたって感じ」「ベテランになればなるほどやりがいを感じないよな」という社会人あるあるな状況にはならず、常に勉強勉強の日々で何歳になっても充実することができる仕事です。
<>溶接工をよく知らない人からすると地味で世の中になくても困らない仕事に思われていますが、実は世の中には溶接工の人達のおかげで私たちが生活できている製品が沢山あります。<>溶接工の仕事はやりがいを感じられるだけではなく、知れば知るほど面白い仕事だと言えるでしょう。
溶接の仕事に就くことで何が完成するの?
溶接工の現場では高温の熱やガスを利用したり、火花が飛んだりするなど常に危険と隣り合わせの仕事をしています。<>そのため安全な作業を行う上で専門的なスキルが欠かせません。
作業を行う溶接工に必要とされている基本的な資格として&qu;溶接技能者&qu;というものがあるのですが、この資格は日本溶接協会が実施しているもので基本給と専門級の2つのレベルが設定されています。
ちなみに溶接工の主な勤務場所はというと建設現場と一般機械の製造工場の2つです。
建設現場では溶接技術が主に必要とされていて、ビルや建設などの大きな建材を使用することが多いため高度な作業スキルが求められています。
一方で一般機械の製造工場では重電機や自動車などの製造を行い、扱う部材がそれほど大きくないことから建設現場に比べて高度な作業スキルが求められることはありません。<>では、これらを踏まえた上で溶接の仕事に就くと何を作ることができるのかを1つずつ解説していきますね。
溶接で働いて完成するもの1:鉄道レール
0.25㎜の感覚を身につけている人だけが新幹線の道を作ることができます。700程ある新幹線が時速300㎞で加速した時にレールのつなぎ目に少しでもズレがあると座席に振動が伝わってしまったり、最悪の場合脱線なんてこともあります。
そのため鉄道レールの溶接はスキルの高い人だけが携わることのできる大きな仕事です。
レールというのは溶かした時に固まる速度が季節によって異なるため熱ければ膨張し、冷えると収縮するという厄介な性質を持っています。こうした知識もないと難しい溶接且つ仕事と言えるでしょう。
ちなみに0.25㎜の感覚を身につけている日本人は現在500人前後しか居ないそうで、あと数年で引退を迎える人も多いそうです。
ものづくりが好きな人はもちろん、鉄道が好きな人も溶接工への転職を視野に入れるのもオススメ。好きなことを仕事にできるって素敵ですよね。
溶接で働いて完成するもの2:部品
勤める会社によってどんな部品を扱うのかが異なりますが、新幹線の部品や食品製造装置の部品、車の部品や医療・介護用品に使われている部品などです。一見「大したことない仕事だな」「部品を作るだけってやりがい感じるの?」と思う方も中にはいらっしゃると思いますが、私たちの日常にはこうした部品は欠かせません。
例えば新幹線に扉がなかったら私たちはどうなりますか?
車椅子にある部品が付いていなかったら破損・転倒すると思いませんか?
今ある食品製造装置に1つ部品がなかったら機会が止まるもしくは何らかの不具合が起きると思いませんか?
溶接を行う前の部品というのはただの金属です。ですがこの金属に手を加えて1つの部品にすることで私たちが日常で何気なく使用・利用しているものに生まれ変わり、自分の使わないモノであったとしても必ず誰かの役に立っています。
作っているもの・完成するものはある製品の一部ではありますが、この仕事に携わっている方は自分が作った部品が実際にどんな風に使われているのかを自分の目で見てやりがいを感じる人も少なくありません。
溶接で働いて完成するもの3:大型造船
その名の通り大型造船を作ります。板の曲げ加工や切削加工をしたり、色々な溶接技術を使って船を作っていきます。
ちなみに造船所は労働安全衛生法で定めている労働災害防止のための措置を徹底しているので、大型造船の仕事に携わる際は溶接以外の知識も必須と言えます。
溶接で働いて完成するもの4:水中での溶接
この作業は完成と言うより&qu;補修&qu;と言った方が正しい仕事内容かもしれません。水中専用のホルダーと溶接棒を使って海や河川、池やダム、下水やプールなどの水中で溶接作業を行います。
陸上での作業とは異なり水中での作業は溶接部がすぐに冷却されてしまうので、高いスキルが必要な上に一気に作業を行うことが難しいです。
また、溶接の仕事以外にも酸素アークの切断作業も行います。水中での作業は陸上以上に体力と判断力が必須になるため、様々な知識と溶接のスキルの豊富さが重要になります。
ちなみに水中での溶接は業務を行う上で&qu;潜水士&qu;という国家資格が必要です。ですがこの資格は筆記試験のみで実技試験がありません。なので資格取得後は職場でトレーニングをするしか慣れる方法はありません。
水中での溶接をぶっつけ本番にする職場はないので安心してくださいね。
溶接工以外にも水中カメラマンや水族館で魚たちに餌をあげる人、災害時のレスキュー作業や沈没船の内部調査など水中のお仕事では潜水士の資格が必要になっています。
少し話が反れてしまいましたが、現在水中での溶接を行っている業者は100社以上あります。
危険な仕事だけに年収も平均よりはるかに高いので、水中での溶接が気になった方はもちろん年収の高いところに務めたいという方はまず潜水士の資格を取ってから転職活動を始めた方が効率が良いかもしれませんね。
溶接で働いて完成するもの5:高層建築物
高層建築物というのは、数百mあるビルや塔のことを言います。
日本には様々な高層建築物がありますが、スカイツリーは溶接によって作られています。今、「高層建築物って溶接じゃないの?」と思った方もいると思いますが、実は東京タワーはリベット接合メインで作られています。
リベット接合というのは板状の2つの母材を重ねた上で両方の同じ位置に穴を開けてその穴に頭の大きな釘のような形状をした金属製のリベットを貫通させてその先端部を潰して2つの部材を固定する方法です。溶接に詳しくないとリベット接合の説明をされても正直難しいですよね。
リベット接合の活躍事例としては航空機です。その他には高い強度が求められる橋の建設でも用いられている方法です。リベット接合のには緩まない・分解しやすい・作業が簡単・部材を損傷させる恐れが少ないといったメリットがあるものの見た目が良くない・重くなる・母材形状によっては加工が行えないというデメリットがあることから高層建築物にはあまり向いていない方法だとも言えます。
ですがスカイツリーは、スカイツリー制作のために新しく開発された高張力銅を使用しているため機能性も見た目もリベット接合ではなく溶接でも問題なかったと考えられます。
高層建築物はそう簡単に壊されてしまうものではないので、製作中はもちろん完成後も周囲に自慢できますし、見聞きするだけで誇らしい気持ちにもなりますよね。
溶接工として働くと、この他にも色々なものを作る・完成させることができます。
「他にどんなものが作れるのか気になる」「誰かの助けになるものを作れる会社に入りたいな」と思った方は、自分の作りたいものを作っている会社に転職をすると仕事にやりがいを感じたり、充実感を味わえたり、これまで感じたことのなかった自分自身の成長を感じられるでしょう。
溶接で働くことで社会への貢献になる
溶接の仕事をすることで電力関連設備の建設や保守を通じて電力の安定供給を影で支えるという社会貢献ができます。自分たちが日々製造したモノが世の中に送り出され、そのモノ1つ1つが生活環境を向上させてくれます。
また、製造するモノによっては自然環境を改善することができ、快適な社会に貢献することだってできるんです。溶接というのは需要と供給によって社会に貢献することができ、地域社会の活性化にも関わっていると考えられます。
まとめ
物づくりが好きな人はもちろん、「誰かの役に立ちたい」「手に職を付けたい」「やりがいを感じる仕事をしたい」と思っている人は特に溶接の仕事が向いているでしょう。転職活動は簡単なものではないですが、転職活動期間を利用して溶接にまつわる資格の取得をしておくといいかもしれませんね。
そうすることで希望条件に合った会社に転職しやすくなります。この記事を読んで少しでも溶接工の仕事に興味を持った方は是非、会社見学をして自分の目で現場を見ることをおすすめします。
従業員たちの仕事に対するかっこいい姿勢に惚れ惚れして、きっと今すぐにでも転職したくなるはずです。